「色の心理学」を中心に、五感を磨くメニューをご用意しているカラースクールです。
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  1. T.A.Aのカラフルブログ
 

T.A.Aのカラフルブログ

自分の中の 好きな所も嫌いなところも
自分の中のステキなところもダメなところも
自分の中の見せたい所も隠したい所も

自分で気づいて 自分の中に受け入れる・・・・・
そうすることで 前に進めるのだと思うのです
      T.A.A
Talk(話して) Awake(気づいて) Accept(受け入れる)
     
カラースクールを始めるにあたって
初めてアメブロに綴ったこの思いは
今も変わりません

色も香りも
自分の周りのすべてのものをツールにして
自分の未来は自分で開く
そんなあなたを応援したい
2026/01/30

マミーブラウンの物語

~今では非常識な色の常識~

 



原料は「本物の人間」だった


この色は、比喩でも何でもなく、ミイラを原料にした色でした。

エジプトのミイラを粉砕したものをホワイトピッチ(樹脂)やミルラ(没薬)と混ぜて作られでいたのです。 

これが、16世紀から19世紀にかけて、ヨーロッパではごく普通の絵具として画材店に並んでいたのです。


なぜ「ミイラ」だったのか?



当時の人々にとって、ミイラは万能な存在でした。

 中世から「ミイラ(Mumia)」は貴重な薬として服用されていたんです。

 薬としての需要が落ち着いた後、ミイラを粉にしたものが「透明感のある、非常に美しい茶色」であることが発見され、油絵の影を表現するのに最適だと重宝されました。



ラファエル前派の画家たちの「無知」と「供養」



 19世紀のイギリスの画家、エドワード・バーン=ジョーンズ(ラファエル前派)も、この絵具を愛用していました。

しかしある日、友人の画家ローレンス・アルマ=タデマから、この絵具が本当にミイラから作られていることを聞かされます。

彼は「死体から作った絵具で絵を描いていたなんて!」と深くショックを受けました。

そして、その日のうちにアトリエからマミーブラウンのチューブを持ち出し、庭に穴を掘って埋葬(供養)したと言われています。

捨てるんじゃなくて、きちんと埋葬するというあたりに、出どころへの恐怖が感じられますね。


色の終焉と現在の姿



マミーブラウンの最期は、なんとも現実的なものでした。

 19世紀末、ミイラの供給が激減します。

それはエジプト政府による輸出制限や、観光資源としての保護という観点からです。

その後 1964年、ロンドンの老舗画材店ロバーソン社の社長は、「在庫のミイラが最後の一体分もなくなってしまった。もうマミーブラウンは作れない」と発表しました。

こうして、マミーブラウンという色は、ロストカラーになったのです。

現在、画材店で「マミーブラウン」という名前の絵具を見かけることがあっても、それは合成酸化鉄などを使って再現された「安全な代替品」であって、決してミイラから作られたものではありません。

実はミイラは絵具だけでなく、当時は蒸気機関車の燃料として燃やされたり、肥料として使われたりしていたという、現代の感覚からすると信じられない時代でした。

時代が変われば、常識も変わる‥‥‥。

そんなエピソードですね。


カラースクールT.A.A
フジタでした



2026/01/24

エルメス・オレンジの伝説


偶然から生まれた気高き色



「オレンジ色」って、どのようなイメージでしょうか?


 かつて、オレンジはビタミンカラーのような「元気さ」や、あるいは「親しみやすさ」を象徴するカジュアルな色とされていました。


しかし、この色のイメージを世界で最も「高貴で洗練された色」へと塗り替えたブランドがあります。それが、フランスの至宝、エルメスです。


実は、あの象徴的なオレンジ色の箱には、戦時中の「あるハプニング」から生まれた物語があったのです。



 始まりは「代用品」だった?


1920年代、エルメスの包装箱は、現在とは全く異なる「ベージュ色」で、縁取りに金色のラインが入った、非常にクラシックで落ち着いたデザインでした。


転機が訪れたのは、第二次世界大戦下のフランス。


物資が極端に不足し、それまで使っていたベージュの紙が手に入らなくなってしまったのです。


業者に問い合わせても、在庫として唯一残っていたのは、当時あまり人気がなかった「鮮やかなオレンジ色」の紙だけでした。


「背に腹は変えられない」と、やむを得ずそのオレンジ色の紙を包装に使ったのが、現在のエルメス・オレンジの始まりだと言われています。






「フー(Feu)」という名の情熱


このエルメスを象徴するオレンジ色には、フランス語で「フー(Feu)」という呼び名があります。


日本語に訳すと、「火」や「炎」を意味します。


「エルメスのオレンジは、単なる果実のオレンジではなく、

内側から燃え上がるような生命力、そして職人の情熱を象徴する「火」の色。


カラーコードでいうとヴァーミリオン(#F26649)に近い、非常に赤みの強い鮮やかな色です。


この『朱色』に近いニュアンスが、カジュアルなオレンジに、歴史あるメゾンにふさわしい格式を与えることになりました。

戦後の混乱期を経て、この鮮やかなオレンジは、人々に希望とラグジュアリーな喜びを与える色として定着していきます。


現在では「オレンジ・エルメス」として商標登録も申請し、ブランドのアイデンティティそのものとなりました。



 

庶民の色を「憧れの色」に変えた魔法


オレンジは、一歩間違えると派手すぎて安っぽく見えてしまう難しい色です。


しかし、エルメスはそこに「シボ(表面の細かな凹凸)」加工を施した上質な紙質と、茶色のリボン、そして馬車のロゴを組み合わせることで、圧倒的な「高級感」を与えました。


「手に入らないから使った色」が、今では「世界中の人々が手に入れることを夢見る色」になった。


この劇的な逆転劇は、デザインの持つ力と、ブランドが紡いできた真摯なモノづくりの歴史が成し遂げた魔法と言えるでしょう。



 

制約が美しさを生む


エルメスの歴史を振り返ると、自由が制限された戦時中という苦境の中でさえ、美しいものを生み出そうとする意志が、輝かしい「フー(火)」を灯したことがわかります。


あなたの身の回りにあるオレンジ色も、もしかしたら何かの「きっかけ」で新しい価値を持つかもしれません。


色の裏側に隠された物語を知ることで、いつもの風景が少しだけ特別なものに見えてきませんか?




2026/01/17

坑道の妖精「コボルト」が隠した青の魔力


コバルトブルー(Cobalt Blue)


コバルトブルーの鮮やかさ‥‥‥。
この色は、高貴で知的な印象を与える青ですが、実はその名前の裏に、
ドイツの深い銀山に住むという、いたずら好きで少し厄介な妖精の物語が隠されているんです。


銀山を彷徨う妖精「コボルト」の呪い


「コバルト」という言葉の語源は、ドイツの民話に登場する精霊や妖精「コボルト(Kobold)」にあります。


中世ドイツの、ハルツ山地などの鉱山で働く人々にとって、コボルトは恐ろしい存在でした。

銀を掘り当てようと汗を流す鉱夫たちの前に、銀によく似た、金属が現れることがありました。


だけど、これは精錬しても価値のない金属(コバルト鉱石)でした。

しかも、この鉱石は精錬の過程で有害なガス(ヒ素など)を出し、鉱夫たちの健康を損なうこともあったのです。


鉱夫たちは、

「これは山に住むいたずら者の妖精コボルトが、価値のある銀を盗み出し、代わりに偽物の金属を置いていったのだ」

と信じ、その厄介な鉱石を「コボルト(コバルト)」と呼ぶようになりました。






 呪いから「至高の青」への転生


こうして厄介者として忌み嫌われていたコバルトでしたが、18世紀から19世紀にかけて変化が訪れます。


この鉱石から抽出された成分をアルミナ(酸化アルミニウム)と焼成することで、その運命が劇的に変わったのです。


科学のチカラでできた、近代絵画に欠かせない「コバルトブルー」の誕生です。


この色は、それまでのどんな青よりも純度が高く、光に強く、そして鮮やかな青でした。


坑道の暗闇で人々を困らせていた妖精の名前が、芸術の世界で最も賞賛される「光り輝く青」の名前になった……。


ドラマチックな逆転劇ですね。



芸術家たちを虜にした透明感


この新しい青は、印象派の画家たちを熱狂させました。

ルノワールは「空の青」を描くためにこの色を多用し、モネは水辺の揺らぎを表現するためにこの青を走らせました。


コバルトブルーの最大の特徴は、その「透明感のある鮮やかさ」です。


重苦しさがなく、どこまでも突き抜けるようなその色彩は、まさに妖精が魔法をかけたかのような、不思議な魅力に満ちています。


かつては「銀を盗む呪い」と呼ばれた色が、今では「世界を彩る至宝」として私たちの目を楽しませてくれている。


その背景を知ると、この深い青が少しだけミステリアスに見えてきませんか?




カラースクールT.A.A
フジタでした


2026/01/05

世界を照らす「希望の光」と新年の始まり

サンイエロー(Sun Yellow)


2026年の初日の出は、ご覧になりましたか?

私は、マンションの部屋から見たお日様に、手を合わせて、今年1年の平和と飛躍を祈りました。

 日本では古くから、太陽は「情熱」や「生命」の象徴として、日の丸のような力強い「赤」で描かれることが多いですね。


しかし、世界に目を向けると、太陽のスタンダードな色は、眩いばかりの黄色――サンイエローなのです。


今回は、この「太陽の光そのもの」を象徴する色がテーマです。





 西洋の子供たちが描く「黄色い太陽」


ヨーロッパやアメリカの子供たちに「太陽を描いて」と言うと、迷わず黄色いクレヨンを手に取ります。

これには文化的な背景が深く関わっています。


日本人が太陽を「熱を発する火の玉」として捉える傾向があるのに対し、西洋文化では太陽を「闇を照らす光の源」として捉えています。


光を表現するのに、最も輝度が高く、明るい「黄色」を選ぶのは、彼らにとって極めて自然なことなのです。


この「光としての太陽」を象徴する色が、サンイエローです。


 雲ひとつない青空から降り注ぐ「陽の光」。

淀みがなく、どこまでも純粋で前向きなエネルギーの色。

サンイエローは、休息でも執着でもなく、「今、この瞬間を最大限に輝かせる」という、迷いのない肯定感に満ち溢れた色なのです。



サンイエローが心に届ける「自己肯定」


色彩心理の視点で見ると、サンイエローは私たちの内面にある「自信」や「知性」、「社交性」を刺激します。


この色は、光が四方八方に広がるように、自分自身の可能性を外の世界へと広げていくサポートをしてくれます。


「自分ならできる」「明日はもっと良くなる」という根拠のない、しかし力強い楽天性を引き出してくれるのです。


新しい一年の目標を立てるとき、あるいは何か新しいことに挑戦しようとするとき、このサンイエローの光をイメージしてみてください。


それは、あなたの心を曇りなき晴天へと導いてくれるはずです。




世界を等しく照らす太陽


文化によって太陽の色が「赤」であれ「黄」であれ、太陽が私たちに与えてくれる恩恵は変わりません。


2026年という新しい年が、サンイエローのような明るく希望に満ちた光で、日常を照らしてくれますように・・・・・・・。


この色の輝きとともに、輝かしい一年をスタートさせましょう!