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誇りと因縁の「オックスフォードブルー」と「ケンブリッジブルー」

2026/09/08

大学を象徴するスクールカラー

OxfordBlueとCambridgeBlue


イギリスの名門であるオックスフォード大学とケンブリッジ大学の間で毎年開催される、伝統的なスポーツ対抗戦は、競技を問わず総称して「バーシティ・マッチ(Varsity Match)」と呼ばれます。
そして非常に面白いのが、この対抗戦に出場した選手には、大学からスポーツにおける最高の栄誉として「ブルー(Blue)」という称号が与えられることです。
色の名前が、「スポーツのエリートの証」の名前そのものになっているんです。
両校のスポーツ対抗戦に出場したエリート学生ににとって、この色は彼らの誇りそのものなのです。

それぞれのスクールカラーのブルーは、こんな色。




オックスフォードからの逃亡者


英語圏で最も古い大学はオックスフォード大学で、1096年頃にはすでに教育が行われていたとされています。
そんなオックスフォードの町で1209年、大事件が起きます

1人の学生が、地元の女性を死なせてしまうという事件が発生しました。
(事故とも殺人ともいわれています)

これに激怒した地元住民と、学生・学者たちの間で激しい暴動が起きました。


当時の市長ら地元当局は、見せしめとして学者数名を絞首刑にしてしまいます。 
 学者らは、教会の管轄下にあり、これは青天の霹靂とも思える事件でした。

この暴力と迫害から逃れるため、一部の学者たちがオックスフォードを捨てて北東へ逃げ出しました。
彼らがたどり着き、新たな学問の拠点を築いた場所こそが「ケンブリッジ」だったのです。

つまり、ケンブリッジ大学は「オックスフォードでの迫害から逃れ、飛び出した人々」によって作られたという、強烈な誕生の経緯を持っています


600年にわたる「イギリスにおける独占状態」


それから19世紀に入るまでの約600年間、大学といえばオックスフォードとケンブリッジの2つの大学しか存在しなかったのです。
そのため、その後600年にわたって、王室の庇護、優秀な学生、資金、そして国家における政治的な影響力のすべてを、この2校だけで奪い合うことになります。
しかも、「オックスフォードは保守的で政治・哲学の伝統を重んじ、ケンブリッジは進歩的で科学や急進的な思想を好む」と言われ、宗教改革やピューリタン革命の時代にも、両校がそれぞれ異なる立場をとって思想的に対立することがありました。 



そして19世紀、舞台はスポーツへ


何百年ものあいだ「どちらが優れているか」を学問や政治の舞台で競い合ってきた両校ですが、19世紀に入ると、そのプライドのぶつかり合いがスポーツという分かりやすい形に発展します。
そのきっかけとなったのが、1829年に始まった第1回のボートレースです。
ケンブリッジ側の学生が、オックスフォードに通う旧友に挑戦状を叩きつけたことから始まりました。
これが「伝統の一戦」として注目される代表的なスポーツとして残っています。

ひとつは、ザ・ボートレース(The Boat Race)
日本の「早慶レガッタ」のモデルにもなった、世界で最も有名なアマチュアスポーツイベントの一つです。
 1829年に始まり、約200年の歴史を持ちます。  ロンドンのテムズ川(約6.8kmのコース)を舞台に、 毎年20万人以上の観客が川沿いに集まり、テレビ中継で数百万人が視聴する国民的なお祭りになっています。

もう一つが、ラグビーの「ザ・バーシティ・マッチ」
アマチュアスポーツでありながら世界中から注目され、過去にはワールドカップに出場するような各国の代表クラスの選手が、この試合に出場するために両大学で学ぶこともありました。

現在は男子競技においてケンブリッジ大学がわずかに勝ち越していますが、実力は非常に拮抗しており、毎年「今年こそは」という両校の執念が凄まじい熱気をもたらしています。



日本のWEBに潜む「もうひとつのケンブリッジブルー」


さて、ここで日本のクリエイターが陥りやすいカラーコードの罠があります。
日本のWEB色見本や辞典で「ケンブリッジブルー」と検索すると、なぜか鮮やかなシアン(#25B7C0)が表示されることが多々あります。
これは、日本の和洋色名辞典やWEBカラーサイトで「ケンブリッジブルー」として広く登録されてしまっている色です。 本来のくすんだ緑青色とは大きく異なりますが、日本のデジタル環境や一部の塗料・デザイン業界では、この鮮やかな色がケンブリッジブルーとして流通してしまっているのが現状です。
ケンブリッジの公式カラーは#85b09aという色です。




カラースクールT.A.A
藤田たかえ でした