秘密の色と書いて、『ひそく』と読みます。
なにやら、思わせぶりな色だと思いませんか?
実は、この色、『青磁』の中でも最高級品の色とされています。
『青磁』とは、酸化第二鉄を含む釉(うわぐすり)を施した磁器のことで、透明感のある青緑が特徴です。
これは、NHK『美の壺』で紹介されていた、日本にある汝窯の青磁三点のうちのひとつ。
釉の成分により、出来上がりの色が変わってきます。
灰味を帯びた、浅い青緑は、中々出せない色で、その美しさがあまりにも神秘的だったのでしょうか?
『秘密の色』ではなく『神秘の色』なのですね。
源氏物語では、かつて華やかだった時代を象徴する色として、扱われています。
『青磁』は、中国で生まれ発展していった磁器です。
生まれたのは、殷の時代と言われます。
日本では、まだ、縄文時代にあたります。
「碧玉」や「ヒスイ」に近い色ということで、珍重されました。
現在では、骨董品としての価値も高く、
2012年に香港のオークションで約23億円という高額な値段で落札されたものもあります。
それだけに、ニセモノが後を絶たないとのこと。
美しいものは、罪作りといえるのかも?
カラースクールT.A.A
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