明日から3月。

旧暦の二十四節気でいえば「雨水」の末期。
七十二候の「草目萌動(そうもくめばえいずる)」です。
昔の暦は、ほんとによくできている、と感心するのは、こういう命名の仕方。
三寒四温のサイクルを繰り返しながら、次第に暖かくなってくる今日このごろ。
この時期の雨を「木の芽起こし」というそうです。
ちょこっと顔を出す新芽のかわいらしさに、昔の人も微笑んだことでしょう。
まだまだ、弱々しくて危なげな新芽の色。
浅いグリーン、黄緑色・・・・・それが、早春の色。
日本の伝統色にも

ひわ色というのがあります。
ひわは、漢字で書くと弱い鳥、「鶸」と書きます。
早春にふさわしい色といえるかもしれません。
「君がため 春の野に出でて若菜摘む 我が衣手に雪は降りつつ」
という光孝天皇の歌は、有名ですがこれは、今の時期より少し早い立春を過ぎたあたりの歌。
若菜色と鶸色を比べると、若菜色の方が陽の光がまだ少し足りないような緑に感じます。
だんだん、陽の光が強くなって、その光を存分に浴びて緑が濃くなっていく様子を、その時どきの色名で表し楽しんでいたのでしょうね。
とても鋭い感性で、自然と対峙していたんだろうなあ、なんてことを、暖房の効いた部屋でぬくぬくと過ごしながら思いを馳せているフジタでした。
カラースクールT.A.A
藤田たかえでした