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松葉色(まつばいろ)
松葉色(まつばいろ)
2021/01/03
2021/1/3
古代より、松は身近なものでありながら
冬でもその色が変わらない不思議さから
長寿の象徴とされ、
神の依り代(よりしろ)として
神聖な対象でもありました。
お正月の門松も、平安時代には
長寿を願って、松だけが
門前に飾られたといいます。
鎌倉時代に、
そのしなやかさと強靭さが好まれたのか
竹が加わり、松と竹の飾りに。
成長の早い竹と長寿の松。
いかにもおめでたいですね。
江戸時代になって、歳寒三友(さいかんさんゆう)
といった、中国の考え方から
生命力を連想させるものを、3つ取り合わせようと
香りも豊かな梅が加わりました。
現在では、
大きな葉を牡丹(ぼたん)の
花の代わりに見立てた
葉ボタン(牡丹は中国で、めでたい花とされる)
や、難を転じるといった縁起物である
南天の実が飾られるようになっています。
余談ですが
南天の葉には殺菌・防腐の効果があり
お赤飯の上に飾られていたりします。
これも私たちが、
おめでたい印象を持つことに
つながっているのかもしれません。
松は、『常若(とこわか)』の象徴でもあります。
「永久不変」「不老長寿」といった願いを
人々は、この色に託しました。
常磐色(ときわいろ)・千歳緑(せんざいみどり)
といった色も、松の色から名づけられました。
共に、おめでたいことを表現する色名です。