「色の心理学」を中心に、五感を磨くメニューをご用意しているカラースクールです。
場所は、交通の便のよい京都の中心街。遠方の方には、オンライン授業のご用意もあります。
色彩心理カウンセリング協会 京都校も兼任。協会オリジナルのアイテムを使った講座もご受講いただけます。
色とお香を組み合わせた『彩り香®』の、香楽師養成講座・Zoom体験も、ここでしか受けられないオリジナルメニューです。

 京都市下京区因幡堂町651

 mail@taa-color.com

  1. 6月の色は『憧れ葛』
 

6月の色は『憧れ葛』

2021/06/01

先日、所要があって静岡県の下田まで足を延ばしました。
幕末に黒船が碇を下ろした港町です。
ペリーロードというのがあって、
その終着点に了仙寺という古いお寺がありました。
お寺の境内いっぱいに咲いたアメリカジャスミンの花が見事!
ちょうど、訪れたのが夕闇せまる時間帯。
溢れんばかりのジャスミンの香りの中、とても優雅な気持ちになりました。

◆数秘香、約50名の方にお届けしました。
ありがとうございます。
数秘香がきっかけで、
数秘に興味を持っていただいたり
お香つくりの体験会に来てくださったりして、う
れしかったです。
こんな状況ですが、できないことを嘆くのではなく、
できることを楽しめるといいですね。


さて今年は、新潟県十日町市の織商さんが
過去に制定された『季の色』をテーマにお届けしています。
今月は 『憧れ葛(あこがれかずら)』


葛は、カズラともクズとも読みます。
マメ科のツル植物の総称で、その種類は、多数あります。

そのひとつが「吉野葛(よしのくず)」
これは奈良県吉野の名産品。
風邪をひいて、のどが痛くて食べられない時には、
母が、砂糖を足して甘くした『クズ湯』を作ってくれました。
つるりとのどを通りやすいというだけでなく、
「葛根湯」など、
生薬としての効能にも優れたものがあります。
もうひとつの読み方、カズラといって思い浮かぶのは、
ノウゼンカズラ。


緑の葉っぱと赤い花のコントラストが美しく、印象的です。
みなさんは「葛」と聞くと、どんなものが思い浮びますか?

徳島県の観光地、大歩危には有名な「祖谷のかずら橋」がありますね。
小学生の子どもたちを連れて、初めて家族で訪れた時、
「大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)」も読めなかったし、
「祖谷(いや)」も読めなかったけど、
歩くとゆっさゆっさと揺れる、『かずら橋」がスゴすぎて、
この旅行で最も印象に残った場所になりました。
葛のツルで編んだものが、人が渡れる橋になるってスゴすぎません?


葛は根も葉も花も生薬となり、
ツルはその繊維を編んで衣類を作る事さえ可能です。
捨てるところなしのお役立ち植物で、繁殖力も高いので、
逆に「どこにでもある」「あってあたりまえ」「普通」
といった存在になってしまっているのかもしれません。

そんなことから、
『憧れ葛』(あこがれかずら)というのは、
主役にあこがれている存在、
といった色ではないかな?と思うのです。

葛のつるは、
まわりの木々や電柱に巻き付いて、
どんどん高みを目指します。
成長しようとする意欲が旺盛で
一か所にとどまっていません。

活動の場を広げた分だけ、
陽があたり、
自分自身の花も実をつけやすくなるという循環。

そうして美しく咲き誇る花や、
鳥や虫に歓迎される実ができるというのが
葛にとっては自慢なのかもしれません。

主役にはなれなくても、主役を引き立て、
主役に必要とされる存在なのではないでしょうか?

『憧れ葛』という色が、
ツヤツヤの葉っぱの色でなく、
少し抑えたトーンになっているのは、
そのつつましさの表れなのでは?と思います。

同じツル性の植物に『蔦(ツタ)』があります。
こちらは、ブドウ科のツル植物。
蔦には、秋になると紅葉するものもありますが
残念ながら伝統色の色名にはなっていません。
蔦紅葉(つたもみじ)の画像はコチラ
↓ ↓ ↓


カラースクール TAA
藤田 たかえ